大阪市立美術館「ボストン美術館 日本美術の至宝」

 この展覧会が開催されることを去年知り是非とも行きたいと思っていた展覧会です。曾我蕭白雲龍図や吉備真備絵巻、平治物語絵巻といった日本にあるならば確実に国宝されるであろう作品が数多く展示されていました。これらの作品はテレビでは見たことがあったんですが、実際に今回はじめて実物と対面することができました。特に、平治物語絵巻のリアルさ、ここまでリアルにその場にいるかのような描き方がなされているとは思ってもおらず、まさに、報道写真の間隔を受けました。また、曾我蕭白の作品は「奇想の系譜 辻 惟雄 ちくま学芸文庫」で見たこともあり、また最近はテレビで紹介されることも多いんですが、実物をみてみると「アバンギャルド」というのがよく当てはまる画家であるというのを実感しました。
 それにしても作品を見ていて思うのは、海外に流出したおかげでこれほど保存状態がよく残っているというのもなんとも皮肉なものです。当時の海外の人の審美眼と現在の我々の審美眼を比べると同じ過ちを繰り返していないのか?考えてみる必要があるようにも感じました。