エコノミック・ヒットマン ジョン・パーキンス著 東洋経済新報社

 過去約30年間にわたって米国が行ってきた途上国に対する直接・間接の借款とその結果としての途上国の借金漬けと貧困層の増大、米国に対する憎悪の増大について、実際に途上国に対する国家建設プロジャエクトを立案してきた筆者の経験を描いたノンフィクションです。
 私が興味深かったのは、以前に読んだ「ロックフェラー・回顧録」「大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード」「サウジアラビア現代史」「イスラム石油戦争」と相互リンクした内容があり、まさに現代アメリカの歴史であり、今後を予想する上でひとつのヒントを与える内容であると思いました。
 アメリカもどうしても現状ではなく変化しなければならない時期にさしかかっているのを感じる本書は、日本もその変化の流れに気が付き、そして、潮流に乗っていくことができるのか?真剣に考えるべきところに来ていると感じました。