京都国立近代美術館・常設展

 で、今度は道を挟んで反対側にある国立近代美術館のほうの常設展を見てきました。ここの、常設展コーナーはこれまで何回か見てきたんですが、定期的に入れ替えを行っているため常に新しい物が見れて、それでいて入館料も常設展のためお安い(笑)ので、ここまできたら出来るだけ見るようにしています。
 今回の展示では現在特別展で「日本画の前衛」というのが行われている関係で、前衛・抽象というものを主なテーマで展示されていました(もっとも、多岐分野にわたる展示をしているので、主テーマに関係なく陶芸や写真なんかも展示されています。)。しかし、私が今回印象に残ったのは第二次世界大戦アメリカ側の従軍写真家が撮影した太平洋戦争時のモノクロ写真でした。サイパン島や太平洋上の空母から飛び立つ戦闘機、硫黄島への上陸作戦・日本兵が潜んでいる壕の爆破の瞬間、野戦病院の様子(手術の様子や、臨時の教会でのミサの様子、亡くなった人の亡骸)、沖縄への上陸作戦と上陸中様子、登校する日本兵・・・などなど、60年以上前の写真のはずなのですが、2001年以降にイラクアフガニスタンで起こった(もっといえば、1990年代以降に起こった局地紛争)戦争の生の映像を見た世代である自分にとって、非常にリアルに感じてしまいました。特に、沖縄に上陸した戦車が畑を通り松の木(つまり日本の風景)の横を行進していく様子を捉えた写真は、自国に外国の軍隊が進軍するということが現地の人にとってどんな感情を抱かせるのか?リアルすぎるほど感じてしまいました。
 それにしても、この後、日本は降伏した後にアメリカの有数の親米国家に生まれ変わることになっていく歴史があるんですが、2003年以降の中東でのアメリカの失策は何が原因なのか、日本としてもよく検証する必要があると感じました。
 で、最後にはいつもの恒例の河井寛次郎の作品が展示されていました、前回多数の作品が展示されていたので、今回は幾分少なめでしたが、中には、抽象的な作品もあったりと、ホント凄い作家だなぁと改めて関心でした。