京都高島屋7階グランドホール「東大寺本坊襖絵完成記念 小泉淳作展」

 東大寺に、画家が80歳を超えてから5年の歳月をかけて襖絵を収めるために描かれた作品が展示されていました。会場では16面の襖絵を見ることが出来るのですが、その素晴らしさに見るものを圧倒します。
 例えば、「蓮の花」では、ただ単純に「蓮の花」というのではなく、右に咲くもの、左に咲くもの、つぼみのもの、花が散ってしまったものという具合に花一つ一つがそれぞれが生きていることを見ることが出来ますし、枝垂桜の作品では、桜の花びらの変化(桜は開花初期は白っぽい花びらで、徐々にピンク色に染まっていく)を一つの画面で表現しているのは見事でした。
 また、障子の下部になかなかデザインされた仏教をイメージする絵が描かれた作品は、作者が過去にデザイナーなどの職を経ていたからこそ出来た作品であると感じました。
 今度は大阪高島屋で巡回があるので、機会がある方は見て損は無いと思います。