7階 美術館JR「えき」KYOTO「佐賀県立九州陶磁文化館コレクション 海を渡った古伊万里展」

 伊万里の海外輸出の流れを時代追いながら作品を順番に見ていくことが出来るわかりやすい展覧会となっていました。中国の混乱から陶器が輸出停止になったために、日本から陶器の輸出が一気に拡大した事やオランダ東インド会社の売り上げのうち一時期は長崎の出島からの貿易が全体の7割を占めたこと(←つまり、それだけ、日本の陶器が海外の王侯貴族から珍重されたということ)などなど、今まで知らなかった事を実際の陶器を見ながら知ることが出来ました。当時の、熱狂的な収集家のなかには、宮殿の一部屋を日本製の陶器で埋め尽くすほどの人物もいたようで、このような中から自分のところでも陶器を作りたいという願望が生まれ、やがてドイツでマイセンが陶器の製造に成功するというながれがあるわけです。
 面白かったのは、この展覧会場を出ると、明治大正期の伊万里焼きの即売が行われていて(さすが百貨店)、値段的にピンからキリ(3000円ほどから10万ほどのものまで)といった感じでしたが、商品の一つ一つの市場相場がわからないものの、AよりもBが高い値段が付いているというのは、意外と見ているとわかる気がするものが多かったように思います。ただ、単純に装飾が奇麗とかではなく、図柄の配置や空間の使い方なんか見ていて素人ながら「良いな」とおもうようなものは、やや高めの値段でした。まぁ、買う人のことを考えると、そんなもんなんでしょうね。
 実際に、3000円でもよいので実際におかずを食べるときなんかに使ってみると面白そうでした。