国立国際美術館「森山大道展」

 続いて、大阪にて森山大道展を見てきました。これが、予想以上によかった!1960年代から現在までの写真を集めた写真展だったんですが、その時代時代ごとの日常のひとコマを切り取った写真が見事にその時代の空気を力強く伝えてきます。
 見ていくと興味深いのは、例えば1960年代は安保闘争の時代であると同時に、戦中戦後がわずかに残っている時代であると同時に、ごくごく一般の人々の生きてゆく力強さを感じることができ、1980年代以降になると、やがて、その生きる力強さよりも効率的・機械的な印象の造形が次々と現れてきます。そして、現代。写真はモノクロからカラーへと変化すると同時に、現在の日本を切り取っていました。
 はたして、20年30年後にこれらの写真を見た人(それは私自身かもしれませんが)はこの今の時代の写真を見て何を感じ取るのか?強く考えてしまいました。