承天閣美術館「ハンブルク浮世絵コレクション」

 本日のメイン、「ハンブルク浮世絵コレクション」ですが、まず最初に感想を言いますと、今年の美術展のTOP3に入る展覧会でした。写楽喜多川歌麿歌川国芳歌川広重、そして葛飾北斎。正直、ドイツというヨーロッパの国で、日本の浮世絵がこれだけ良い状態で、かつ、これだけ種類豊富に保存されていた事実に驚かされました。特に、版木や版画を剃る前のもの、現代で言えば「スケッチ」にあたる走り書き的なもの、別注として少数枚だけ作られたもの、などなど貴重なものを見ることができました。
 しかし、なんといっても私でも見たことがある作品が複数展示されていて「おぉ、これがあの作品の実物か!」という感動がありました。例えば、歌川広重の作品で、後にゴッホに大きな影響を与え、自身の作品の中に映画いた事もある作品。実物を見ると、極端な遠近法を使った作品ながら、見るものに斬新さと驚き、そして、画面の中の「動き」が伝わってくるのにびっくりしました。
 そして、葛飾北斎の本物を見た感動。前々から見たいとは思っていたんですが、なかなか機会がなく、今回初めて実物を複数枚見ることができたのですが、いかに多彩な才能の持ち主であると同時に、研究熱心となんといってもユーモアの持ち主であることをまざまざと感じることができました。現代の私の目から見ても、その凄さはある意味飛び抜けているように思いました。