大阪市立美術館「岸田劉生展」

 今季の秋の目玉の一つ、「麗子像」で有名な岸田劉生の生涯を振り返る大規模な回顧展が開かれている大阪市立美術館岸田劉生展」を見てきました。最初に結論を言いますと、私としては必見とまではいかないものの、「麗子像以外の岸田劉生」というものを知るには絶好の機会だと思います。
 正直、「麗子像」以外については私はよく知らなかったのが正直なところなんですが、油絵だけではなく、日本画(水彩画)もっといえば、洋画でも明らかにドイツ・ルネサンス期のデューラーの影響を受けたと思われるサインや、明らかに浮世絵の影響を受けたもの、また、中国山水画の影響を受けたものなど、かなり雑多に幅広く描いていたということがわかって面白かったのですが、逆に言えばそれだけ模索を続けていたということなんだと思います。
 驚くのは、京都に約2年ほど住んでいた際に祇園などで遊びをかなりしていいたようで、案外、悩みながらもそれはそれで楽しんでいたのかもしれないと思ったりもしました。
 ちなみに、今回2階では常設展が行われており、特に、中国山水画のコレクション展は非常にレベルが高いものであったのは良いものが見れてよかったです。