秋の美術展最終、国立国際美術館「エル・グレコ展」

 今日は、秋の美術展の最終かつ本年最後の美術鑑賞として大阪の国立国際美術館にて「エル・グレコ展」を見てきました。エル・グレコは、スペイン絵画の巨匠、ゴヤ、ベラスケスと並ぶ巨人ですが、まぁ、マニアックな部類になると思いますが、最終日に近いということもあってか7日の平日の金曜というにも関わらず予想外に人が多かったですね。
 基本的には人物画を中心とする宗教画なんですが、そこは、エル・グレコ。通常の古典的な宗教画ではなく、独自の解釈を加えた劇場型の舞台としての宗教画*1としています。これは、カラヴァッジョ派などの影響があるそうです*2
 本来はスペインまで見に行かなければ見ることができない、大作「無原罪の御宿り」を今回見ることができたのですが*3、明らかに祭壇を下から見上げる事を想定した描き方がなされており、完全に人物が縦に引き伸ばされているのがよくわかりました。しかし、この引き伸ばし効果が現代の私の目から見ても圧倒的な存在感を感じることができることを考えると、この絵が描かれた当時の人達が初めて目にしたときはさぞ驚きがあったんだろうと思います。

*1:エル・グレコは絵画だけではなく、祭壇の設計からデザインまでトータルコーディネートをしていたようで、画家よりも監修者といえるかもしれないですね。

*2:NHK日曜美術館より

*3:正直、この先いつ来日するかわかりません。貴重な機会でした。