ETV特集「沖縄 所有者不明土地が語る戦後」

 私は今回はじめて知ったのですが、所有者不明土地とは土地はあるものの所有者が不明のため、県や市町村が代わりに管理している土地のことで、激しい地上戦が行われ一家全員がなくなった場合や、家族のうち小さい子供以外全員が亡くなった場合などの事例に代表される理由により本来所有できるはずの自分の土地が不明になっているという財産権に関わる極めて深刻な事態を報告したドキュメントです。
 戦後から68年が経過しているにもかかわらず、沖縄における所有者不明土地の所有者の未判明率は7割以上に登っており、仮に所有者の可能性が高い場合であっても、多額の費用を支払った上で裁判を起こさなければ所有権の移転を行うことができないとのこと。また、この所有者不明土地の管理に関しては県や市町村が行うことになっているがその維持管理費用に沖縄県だけで約6億円に上っている事実。また、地価が3億円と推定されるような那覇市の一等地であっても所有者不明土地があるため再開発においても歯抜けの状態ができてしまって全体の土地の利用価値が下がってしまっている現実。
 まぁ、土地の所有者を一つ一つ探して権利を移転させるというのは、素人目に見ても極めて面倒な話であり、だから68年間もほったらかしの状態であったというのが実情だったんだと思いますが、これが21世紀の今の日本なのか?と驚きます。