京都高島屋「土門拳展」

 昭和を代表する写真家。土門拳の戦前から高度成長期までの「子供」に被写体を絞った展覧会でした。社会の鏡である子供の世界。戦前の都市部と農村の格差、戦争中の子供目線で見た学校、戦後の混乱期に厳しい環境下においてもたくましく生活費を稼ぐ子供、高度成長期後半に閉山となった炭鉱城下町における子供・・・。
 写真から伝わってくるのは、時代や社会背景は違えども、子供を取り巻く世界の厳しさは現代も変わっていないという事実。現代は、見た目には豊かになったのかもしれませんが、その背後に潜む子供への厳しい社会環境*1という現実はなんらかわっていないのかもしれません。それでもなお、たくましく生きる子供の姿は見るものに強いメッセージを伝えていると感じました。

*1:親の失業など