国立国際美術館「アンドレアス・グルスキー展」

 昨日、OKUMUと「アンドレアス・グルスキー展」を見に行ってきましたので、その感想です。まず、一言で言いまして、良い展覧会でした。今最も高額で市場取引されるという写真家で、ドイツ出身のアンドレアス・グルスキー氏の日本での初めての写真展という情報が先に流れており、実際の公式サイトの写真をみても見るものをひきつける力があったので楽しみにしていました。
 上空から撮影し、ぱっと見た目では何かの抽象画なのか?と思わせるような作品が実は農場を撮影しており、畑の作物を植えているウネを平行に撮影しているという驚きがあったり、シカゴの商品取引所と東京の証券取引所の写真を見比べるとシカゴがカラフルな服を着ているのに対して、東京では黒のスーツか白のワイシャツを着ている人しか写っていない。つまり、日本の「右に倣え」的な文化をこの一枚の写真が雄弁に物語っていたり、まさに、目から鱗の作品ばかりで大いに楽しむことができました。
 今日本で、もっと言えば国境ボーダレスに必要となっているのは、この目線を変えることによって見えてくる物事の本質を見る目ということを強く感じた展覧会でした