京都文化博物館「没後90年 近代日本洋画の巨匠 黒田清輝展」

 まず、京都府文化博物館で「黒田清輝」展を見に行ってきました。黒田清輝といえば日本の近代洋画の巨人であり、重要文化財に指定されている「湖畔」が有名で、美術の教科書などで一度は目にしたことがあると思います。
 今回の展覧会は主催者の言葉では、「没後初めての京都における大規模な展覧会」だそうで、初期のころから晩年までの作品が展示されていました。今回初めて知ったんですが、黒田清輝は最初法律家を目指していたそうで、フランス留学に渡った最初の理由も法律の勉強をするためだったようです。しかし、美術に触れる機会があり画家になることを決心したようで、そんな、簡単に画家に転向できるというのはやはり持っている才能があったんでしょう。実際、初期のころのデッサン画を見ても、高いデッサン力を垣間見ることができます。
 師匠に教えてもらったことに忠実にしたがって作成された作品たちは、一方ではアカデミックですが、一方ではその優れたデッサン力に裏打ちされた素晴らしい作品群であると感じました。
 画業後半は、公的な役職に任ぜられたりしたため(美術行政を管轄する長)、画業的には小さな作品群が多く、晩年は、狭心症で58歳で亡くなった(直前に関東大震災に遭遇した)というのは、やはり心労が重なったのが原因なのでしょうか?
 とにかく、名前だけは聞いたことがる黒田清輝の作品を見るには絶好の機会だと思います。