今年の本

 CDに引き続き、本をリストアップしてみました。

  • 「大仏破壊―ビンラディン、9・11へのプレリュード 高木 徹 (著) 」

 大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品の本書。当時のアフガニスタンで何が起こっており、その後の世界史においてどのような影響を与え、また、与え続けているのかについてわかりやすく読むことができます。

  • 「ニセモノはなぜ、人を騙すのか? 中島 誠之助 (著) 」

 鑑定士としてTVで出演されている中島 誠之助さんの本です。これが面白い。常に「本物」を見ることによって「ニセモノ」を見極めることができるんですね。

  • 若冲になったアメリカ人 ジョー・D・プライス物語 ジョー・プライス (著), 山下 裕二 (著)」

 江戸時代の画家、伊藤若冲の収集家として有名なジョー・D・プライス氏の半生を描いたインタビュー本です。「ニセモノはなぜ、人を騙すのか?」にても触れられていますが、絵画なんかを見る場合は、できるだけ当時の環境に近づけて見ることによって、まったく見た印象が変わってくるという話は感心しました。蛍光灯の元で見る絵画は当時と見た目が変わってしまっているわけですね。

  • 「リアル・リーダーシップ―成功のための五原則 ピーター・ジョージェスク (著)」

 本書は、ビジネスハウツー本ではなく、今もこれからも、ビジネスだけではなく人間として何が求められているか?を明確に示した本です。あわせて、「真相―イラク報道とBBC グレッグ ダイク (著)」を読むと、よりいっそう本書の内容に説得力が増します。まさに、原点に戻るべきときにきているんでしょう。

 鈴木宗雄事件で共犯として逮捕された佐藤 優氏の当時の拘置所における取調べと事件の背景を描いた自身の著作です。故ロシア語通訳者の米原万理さん(非常に辛口で有名でした)が新聞の書評欄で珍しく褒めていたので興味を持っていた本で、今年文庫化されたのにあわせて読みました。どう思うかは読者にゆだねられるとおもいますが、何年か後には真実が見えてくるんでしょう。

  • 「自壊する帝国 佐藤 優 (著)」

 大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品となった本書は、筆者がロシアに赴任していたときにソ連が崩壊していく様をリアルタイムに描いています。

 今年の新書を代表する作品でしょう。太っている人には太るための「努力」をしている。これを自らコントロールできるようにしましょうという内容ですね。

  • 「「長寿食」世界探検記 家森 幸男 (著) 」

 NHKで放映された「長寿の謎を解く」で知った元京都大学名誉教授の家森 幸男さんの本です。家森さんは、世界保健機関(WHO)から委託研究というかたちで世界中の人の健康調査を行った結果、ある結論が提示されています。自らの健康を自ら守るためいかにすべきなのか?普段からの食事の改善こそ第一歩であると実感させられます。「長命」ではなく、「長寿」こそが大切なんですね。

  • 「遺品整理屋は見た! 吉田 太一 (著) 」

 NHKでドキュメントが放映されていたのがTV放映できる範囲であるとすれば、本書は実際の現場における実態が赤裸々に描かれています(つまり、あまりにも生々しい内容ということですね)。死んだら人間バイバイではなく、後に残されたものがその後片付けを負担するということを考えておかなければなりません。本書にはこれから増えていくであろう事例が紹介されており、いずれ、社会的にサポートする必要が出てくると思います。

  • 「顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折 熊谷 徹 (著) 」

 東ドイツにおける秘密警察シュタージの対外諜報部門の責任者ヴォルフに焦点を当てた本書。国民を信頼しないところを出発点とし、西ドイツのみならず、米国のCIAやNSAなどの世界中の諜報機関にスパイを送り込むことに成功したシュタージを擁した東ドイツがなぜ最終的に消滅したのか?考えさせられる本です。今年の食品偽装事件などと背景が共通する部分が多くあり、一国させも消滅してしまうという重い事実は現在の日本においても警鐘をならすものであると思います。

  • 「普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓 岩村 暢子 (著) 」

 正直、どのように調査したのか?いまいちよくわからない部分が多いので半信半疑な本ですが、まぁ、こんな家族も存在するという事実だけは覚えておく必要があると思います。

 経済学の古典です。しかし、今読んでもなんら古びていないことに驚くと同時に、これをかいたシュンペータがまだ20代だったというのにも驚かされます。しかし、これを読むと、現在の日本では新結合は起こっていないというのが感想ですね。

以上、今年は本についてもリストにしてみました。こうやってみてみると、ネットだけではなかなか見えない情報源が本にはあるというのがよくわかります。やっぱり、本を読むことは大切ですね。