ロックフェラー回顧録 (デイビッド・ロックフェラー、新潮社)

 ロックフェラー家の中で唯一の経済学博士である著者の回顧録です。回顧録とはいうものの、本書を読むとわかりますが、まさに、現代アメリカ史であるというのがよくわかります。学生時代にシュンペーターなど偉大な学者の教えを受けることができたこと、銀行マン時代の自身の銀行の世界戦略の遂行、そして、富豪の一族であるが故の責任。これら一つ一つがアメリカの現代史と深く結びついています。