ヨーロッパ人の見た幕末使節団 鈴木健夫ほか 講談社

 以前に読んだ「そこに日本人がいた」のなかで興味深かった幕末のヨーロッパへの使節団について、ヨーロッパ側から見た内容をまとめた本です。ヨーロッパ側から、具体的には新聞記事が中心なんですが、まさに突然現れた未踏の地からの使節ということで、無知・面白おかしくというような記事が多いんですが、しかし、現地での使節団の振る舞いなどが見聞きされるにつれ、「謙虚で勤勉・優秀」という言葉が偏った内容の記事であっても必ず書かれていたりと、いかに当時の使節団の一行が現地の人との交流を惜しみなく謙虚に行うと同時に、自分たちの使命を達成するために誠実に工場見学や外交交渉を行う姿が素直に当時のヨーロッパの人たちに好意的にとらえれられていたという点は非常に興味深い点でした。