国宝 三井寺展

 大阪市立美術館で開催中(といっても今日で最終日ですが)の「国宝 三井寺展」に行ってきました。最初は行くつもりがなったんですが、秘仏が公開されている(中には初公開のものある)とのことで次にいつ見れるかわからないな、近いし見に行ってみようという気になり行って来ました。
 仏像を至近距離でしかも細部まで見た経験は今まで無かったのですが(仏像の後ろ部分まで見れるのはそう無いように思ったりします。ましてや秘仏ですし)、素人目にも木の木目なんかを非常にうまく使って製作されていることがわかったり、細かい細工や手の部分なんか精巧に彫られているのは感嘆しました。

 そして、もう一つ思ったのは、戦乱期の後の荘園の減少による収入の減少を園城寺三井寺)がどのようにして乗り切り今日まで繁栄しているのか?を考えたときに、中興の祖「智証大師円珍和尚」の存在「西国三十三番札所」「自然環境保護」「秘仏」というキーワードが上げられていた点です。
 要するに、信仰心=信頼と言うのは当然として、その前提があるとしても日本中の人に「そこにお参りに行ってみよう」と思わせる気にさせる仕掛けを作り上げたことによって、荘園以外からの収入源を作り出したということは特筆に価すると思います。今で考えれば、観光政策なんかに通じる部分があるように感じました。