「アメリカ発 世界自動車危機」を見て

 主にGMの苦境を中心に構成されていたのですが、後半の最後部分の電気自動車への取り組みに関して興味深いものがありました。電気自動車はあたりまえですが、動力源はモーターになります。つまり、これまでエンジンで使われていた部品が必要なくなるものが多数出てくる、さらにいえば、高温にならないため、ボンネット部分など鋼鉄製のものは必要性が薄くなり、カーボン製のものが使われるようになる・・・など、ナルホドと思わせる事実紹介でした。

面白いのは、下請け部品メーカー連合を作って系列以外のメーカーにも販売していこうという動きや、エンジン部品を作っていた部品メーカーがその正確・高精度の技術を生かして医療用器具に進出する動きなど、これまでの自動車産業とは異なった動きが現れ始めているのが紹介されていたことです。

以前、街中で商社が電気自動車のレンタルステーションを始めたニュースなんかもみたんですが、メーカーとは異なった分野のものが自動車に参入し始めてきていることがいくつか見え始めてきているような気がします。

これは、以前に読んだ「台頭する国営石油会社―新たな資源ナショナリズムの構図(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)」で指摘されていた、メジャーからコンサルタント会社への技術移転とその結果としての産出国の自力掘削技術の向上とそれに伴う「力」の増大になにか似ているような気がします。