ルーブル美術館展・美の宮殿の子どもたち

 今日は天気が悪かったのですが、大阪の国立国際美術館へ今年の目玉の展覧会の一つ「ルーブル美術館展・美の宮殿の子どもたち」を鑑賞に行ってきました。結論からいいますと、やはり京都で開催中のルーブル美術館の17世紀の絵画展の方が人気があるようで、入り口で並ぶことなく入館できました。
 とはいえ、館内はなかなか入館者の数も多く、また、夏休みということもあって親子で鑑賞の人なんかも結構多かったです。以下は私の感想です。

まず、エジプト芸術の一群は予想していた以上に興味深いものでした。今回の展覧会の目玉の子供のミイラの展示なんかもありましたが、私の場合は小さな人形が興味深く鑑賞しました。というのも、紀元前2〜3世紀のものや紀元後2〜3世紀といったものが多く、端的に言えばまさに古代の代物なのですが、これが、小さいながら思っていた以上に精巧に作られているうえに、そこから、当時の人達の生活観といいますか見るものに伝わってきました。昨年、大阪で三井寺展で小さいながら驚くほど精巧な木彫りの仏像(鎌倉時代ごろ)を見たことがあるのですが、年代の違いを考えると(日本で言えば、縄文時代から弥生時代にかけてのころですからね)このエジプトの神像の精巧さは驚嘆せずにはいられませんでした。

次に、大理石の彫刻が見ごたえがありました。テーマが「子供」ということなので、彫刻作品も子供がメインなんですが、これがまさに「純粋無垢」感がにじみ出ているんですね。まぁ、逆に見れば純粋無垢な部分をより大きく強調しているがためにそう見えるんでしょうが・・・。

全体を通して気が付いたのは「1700年代ごろを境目として作品の内容が全く違うものに変化している」ということです。それ以前の作品群は、感情的なものをどちらかといえば排しているものが中心なんですが、これが1700年代を過ぎると明らかに作品の中に感情が込められており、それまでの作品以上により生き生きとしたものとなっているわけです。たとえば、家族全員の肖像画なんかでは、「家族それぞれに悩みや苦悩がありながらそれでも、強い絆で結ばれている」というような感情が伝わってくるんですね。

 このように、意外と見所が多かった大阪のルーブル展でした。京都のルーブルでは何を見れるのか?楽しみです。