兵庫県立美術館「水木しげる・妖怪図鑑」展

 奈良を後にして、阪神なんば線を利用し奈良から直通で今度は神戸方面へ移動して、本日のメイン「水木しげる・妖怪図鑑」展を見てきました。
 最初に観想を言いますと、私が、水木先生の漫画が好きである点を差し引いても「非常に良かったです」。
 原画が88枚と、参考資料としての江戸時代の浮世絵などの妖怪画や子供も大人も楽しめる実寸大の妖怪の模型(前に立つと口からシュッと空気が勢いよく出てきたり、私自身思わず「うぉ!」と声を出してしまいました。)があったりと誰もが楽しめる内容となっていました。
 また、今回初めて鬼太郎や以前に読んだことがある「妖怪画談」などの妖怪画の原画を見ることが出来たのですが、懐かしさというのもありましたが、漫画というジャンルを超えた極めて精密な描写がすばらしく、また、当時の困窮時代のある種の「このクソ!」というような力強さも伝わってきました。興味深かったのは半分に切れてしまったりしてたのか?セロテープで補修してるものも多数あったりしました(そのセロテープも色が黄色に変色しており、かなり前に張られたものがよくわかりました。それゆえに、リアル感が凄く伝わってきました)。
 さて、本展覧会で特に思ったのは、1つ目に、水木先生はこれだけの全国の妖怪の情報をよく集められたなーという点です。上は北海道から下は沖縄まで本当に全国各地から様々な妖怪が紹介されていました。2つ目に、江戸時代の妖怪画を見て感じたのは、当時の人々の発想力の豊かさと独創性です。やはり、当時の人々の方が自然に添って生活していたため感受性という点では優れていたのかもしれません。3つ目に、妖怪画には女性が多いという点。女性という強い存在が古今東西関係無く現れているんでしょうか?
 来場者は当日は平日の金曜の夕方ということで少なめかな???と思っていたのですが、ナンノナンノ、下はちびっ子から上はご老人夫婦にいたるまで本当に幅広い来館者が詰め掛けていました。まぁ、ドラマの影響もあるんでしょうが、それでも、やはり水木先生の生き様と鬼太郎などのキャラクター達、そしてなによりも妖怪という本当は眼に見えない存在が年齢を問わず人を惹きつけるんだろうと納得しました。