和歌山県立近代美術館「〜日本画が結ぶ心〜平山郁夫追悼展示、小沢道治展」

 私が見に行った日は、和歌山の美術館としてはまずまずのお客さんの入り具合だった今回の展覧会。主に、小沢道治氏の展示がメインとなっており、しかしながら、平山郁夫氏の大作も2点ほど展示されていました。今回、小沢道治氏については私は始めて知ったのですが、基本的に風景画をメインとして描かれていたようで、初期・中期・晩年と進むにつれて、初期の細かい描写を継承しつつ、東山魁夷氏のような薄もやのかかったような幻想的な雰囲気が出てきたり、また、小野竹喬氏のような自然の小さな季節の変化を取り入れていたりという画面が感じられたりしました。その中で、地元和歌山の山と紀ノ川を一つの画面に描いた作品があったのですが、風景が広大に描かれており、しかしながら、視点はスケッチをしたと思われる少し高台の場所から描かれているのが印象的で、川や山や森といった一つ一つの視点だけではなく、自然とは全てを含めてのものということを再確認しました。