京都国立近代美術館「没後100年 青木繁展―よみがえる神話と芸術」

 道を挟んで反対側の京都国立近代美術館では関西では初めてとなる大規模な「青木繁」展が行われており、こちらも鑑賞してきました。
 28歳でなくなったあとに、評価が高まった青木繁。現在では、日本史や美術の教科書にその作品が掲載されているのですが、私は、今回初めて実物を見ることができました。
 展示内容が美術学校時代の石膏デッサンから友人たちとの写生旅行、友人たちとの手紙や、大きな自信を持って挑んだ展覧会での3等という不本意な順位と、それに対する激しい怒り(雑誌に「審査が不公平である」と投稿している)などなど、かなりの自負心が強い癖のある人物だったことが伺えました。
 全体的に見て、日本の古代神話や旧約聖書のモチーフなど青木繁が独自に解釈した世界観が展開されており、今の私の目から見てみると一種の漫画的な要素(ユートピア的とでもいいますか?)も含まれているように感じました。また、作品を通してみると、28歳という若さでの死去は、青木繁が完成される前に「未完」の状態で作品が永遠に残される事になったと言えるように思います。
 それにしても、この展覧会。会期がちょうど7月10日までだった影響なのか?結構雨も降っていたんですが、フェルメール以上の大盛況で、驚きました。なにより、年齢層が上は年配の方から下は中学生ぐらいの人まで、これまで観てきた展覧会の中でもかなり幅が広い事と、特に、正直、年配者ばかりかな?と思ってたんで、20〜30代の人が多く来ているには驚きました。何か、TVか雑誌等で特集が組まれていたんでしょうか?