BS世界のドキュメンタリー「スペースシャトル その成功と挫折」

 今年で運用を終えたスペースシャトルNHKの放送でも、それを記念した放送が流されていたりしましたが、本番組はイギリスの放送局が製作した番組で、前後編に分かれて放送されましたが、非常に興味深い内容でした。特に、今年の日本で起こった震災と原発事故を受けてから見ると、事故の根本原因の共通部分が存在することが感じられます。
 私が子供の頃、スペースシャトルはまさに「夢」であり、それは今でもそうなんだと思いますが、NASAという巨大な組織の「組織の論理」という通常では目には入ってこない部分が、事故の間接的な原因として繋がっていることに愕然とします。宇宙飛行士という「あこがれ」の存在と、その本当の現実・・・。それは、当然「死」と隣り合わせということもありますが、それ以上に、「巨大組織の中のあくまで一人」ということの方が大きいように感じました。
 考えてみれば、大きさの大・小はあれど、「組織」というものは共通する部分が多いのであり、この「スペースシャトル その成功と挫折」の教訓、つまり、?なぜスペースシャトルは生まれ、?30年間の運用中に2度の大事故があり、?極めて高いリスクながら任務は遂行され、?最終的に30年で運用を終えたのか?決して、スペースシャトルNASAだけの話ではなく、個々がそれぞれに深く考える必要があるように思います。