BS世界のドキュメンタリー「イエローケーキ

〜ウラン採掘の現場から〜」
 旧東ドイツ、アフリカのナミビア、カナダのウラニウム・シティ*1を取材したレポートです。
 特に、旧東ドイツにおいてのウラン採掘場跡*2の環境回復事業の困難さをまざまざと見せつけられる映像でした。ウラン生成の時に生ずる廃棄物、特に汚染水がろ過もされず垂れ流しの状態で廃液の湖に垂れ流されている事実、その量はこの旧東ドイツの鉱山だけでも2億立方メートルに達するという想像もつかない数字・・・。しかも、現在の技術では解決策としては有効手段がなく*3、とりあえず応急処置だけが講じられている実態。
 昨年から、原子力だけではなく、オイルサンドの問題のレポートも見てきましたが、私が見た番組だけですが、この精製過程における廃棄物処理の現状は費用を抑えるために「濾過処理なしに環境中へ垂れ流し」というのが共通しているように思います。
 まるで、18世紀か19世紀の話なのか?と見間違うほどの現地の映像は、今何が大切なのか?を考えさせられます。今ほど「哲学」や「理念」「道徳」的なものが必要な事が明らかな時代はないと感じます。

*1:こんな名前の都市自体が存在することに驚きがある

*2:ソビエト東ドイツ合弁会社がウラン採掘を行なっていた。操業中の当時は世界第3位の採掘量を誇っていた

*3:密閉するにしても費用がいくらかかるのか?わからないため