荒野へ  (著)ジョン・クラカワー (出版)集英社

 クリス・マッカンドレスという20代の若者が、アラスカへヒッチハイクで旅行をし、荒野に入って一人でサバイバル生活をした結果、餓死したという実話のノンフィクションです。ショーン・ペンが監督した「イントゥ・ザ・ワイルド」という作品の原作となります。
 若者特有の夢と現実との葛藤(それは、両親との仲違いやレールの敷かれた人生への反発)といったものの先に、主人公は荒野へ一人でわけいって生活をするという結論に達したわけですが、客観的に見ればそれは極めて無謀な挑戦だったということになります。
 しかし、この挑戦をしたという「行動」力というものは、はたして「若い」からだけなのか?というように感じたりします。本来、人は挑戦を続ける存在でなければならないのではないか?と思うからです。しかし、その挑戦には危うさが伴うのも本書は物語っています。
 とにかく、一言では表現できない不思議な魅力のある本です。