NHK 追跡真相ファイル

 お盆や年末に定期的に放送されている「追跡真相ファイル」というドキュメント番組で今回以下の2本を見ました。

  • 海外での老後をなぜ選んだのか
  • “消えた”子どもの自殺

 最初の「海外での老後をなぜ選んだのか」では、定年後に日本での家屋敷や財産を処分し物価の安いフィリピンへ移住し余生を暮らすという選択をする人が急増しているという現実と、海外に移住するという行為がどのようなリスクを伴うのか?という思い現実を思い知らされます。「日本語が堪能な現地看護師が駐在する介護付き老人ホーム」の実態(←開演から13年後には経営難に陥り、日本語を話せるスタッフは居なくなっていた)、日本での財産を処分し移住したものの、移住直後に脳梗塞で倒れ、医療費を全額自己負担した上に毎月高額の医療費が必要となった事例(←日本の医療保険制度から移住によって外れてしまったため)などなど、重い内容でした。では、移住せずに日本で生活するのが良いのか?これも、一概には判断できない現実(←要介護が必要な場合には競争率が高くなかなか施設に入所できない。もしくは、劣悪な介護環境の施設の存在)を考えると、日本国内の問題をそのまま海外に輸出してしまっているとも感じました。
 2つ目の「“消えた”子どもの自殺」では、警察が「自殺」と認定しているにもかかわらず、教育委員会が「事故死」として片付けている事例が全国各地で発覚している実態が放送されていました。自殺をなぜ事故とするのか?それは、まったく組織の自己保身のためと言わざるおえないと思うんですが、実態としては、地元の環境(例えば、地方の小さな村や町という環境)では、地方独特の閉鎖性というものが絡んでいるように番組を見ていると感じ、これは、単に組織の自己保身というよりも、もっともっと奥の深い問題であると強く思いました。