核の難民 (著者)佐々木英樹 (出版)NHK出版

 「ビキニ水爆実験 除染後の現実」という副題が付いている本書。1ページ1ページが非常に重い内容になっており、読み進めるのが気持ちが重くなってくるが、しかし、現実として何が起こっているのかを知るためには避けては通れないものとして読みました。ビキニ環礁での水爆実験で一体何が起こったのか?私自身、ほとんど知らないのが現実でしたが、本書を読み進めると驚きの連続の内容でした。安全だと言われて避難先から戻ったものの、20年以上が経過してから実は安全ではなかったという真実を知らされるという残酷現実。しかも、当局は当初から安全ではないと認識していた節があること、それならば何故20年以上も情報をオープンにせず「安全」と言い続けてきたのか?という疑問・・・。
 詳細は本書を読んでいただくとして、これは、ビキニ環礁という遠い外国の話ではなく、これから、福島原発の事故後の事を考えると、読んでおく必要のある本であると私は感じました。