モードとエロスと資本 (著)中野香織(出版社)集英社新書 

 タイトルからなんのこっちゃ???と思ったんですが、これが面白い!2000年代からのファッションの10年の流れを簡単に振り返ったものなんですが、古今東西関係無く2000年まではファッションは「異性」を意識したものであったのに対して、2000年以降は、「同姓からの視線」や「倫理観」というこれまでとは全く異なった価値観の提示が行われているという視点はなかなか面白いものでした。
 08年のリーマンショック以来、ファッションも大きな打撃を受けたんですが、その後に出てきたのが、1930年代を髣髴とさせるような装飾をそぎ落とすようなシンプルなファッションがファッションショーで展開されたりしているようです。読み終えて、なんだか混沌としているようですが、今は過渡期の状態なんだろうなーというのが読み終えた感想です。