大阪市立東洋磁器美術館「ルーシー・リー展」

 最後に大阪市立東洋磁器美術館にて「ルーシー・リー展」を鑑賞してきました。「ルーシー・リー」という陶芸家を初めて知ったのは、NHKの「日曜美術館」で見たのが初めてだったのですが、ヨーロッパの陶芸家にも関わらず、どこか日本的な感覚を感じる作品だなーと画面から感じたものでした。
 今回、代表作が約170点、大阪で見ることが出来るという絶好の機会ということで、今年楽しみにしていた展覧会の一つだったんですが、結論をいいますと、想像以上に良いもので、京都で河井寛次郎の作品を初めて見たときの様な感動がありました。
 作品には、第二次世界大戦という時代をはさんで戦中戦後を生き抜いたという時代背景はあるにしても、その作品自体が持つ独特な雰囲気は他の追随を許さないものがあり、絶妙な釉薬の調合による見事な色使い、シンプルながら絶妙なカーブの造詣などなど、一つ一つが非常に興味深いものでした。
 面白いのは、基本的にヨーロッパの作家の方なので、紅茶を入れるようなティーカップやサラダボールのような大皿、花を生ける花瓶なんかがメインなんですが、これがもし、日本の和室に置かれたり、実際にそれが茶室なんかで使用されたりしたとしても、意外にも違和感が無い、むしろ、空間に似合うというような感じを受けました(作品には、奇麗な群青のような青の陶器やピンクの陶器、ボーダー状の線が描かれた陶器が多いんですが、不思議と和室をイメージしても違和感が無いと私は感じました。)