細見美術館「酒井 抱一と江戸琳派の全貌」

 続いて、京都へ移動し細見美術館で開催中の「酒井 抱一と江戸琳派の全貌」を見てきました。これは、昨年から見たいと強く思っていた展覧会であり、酒井抱一の現物をまとまって見ることのできる貴重な機会ということもあり楽しみにしていました。
 まぁ、会場の規模の関係上、会期が3回に分けられていたので、全てを見ることができませんでしたが、それでも、酒井抱一のマルチな活動ぶりに触れることができました。
 姫路藩の藩主の息子でありながら、絵画に親しみ、世間を風刺する狂歌の投稿を行い、さらには、吉原通の果てに苦難の末に遊女と結婚するという、当時としては信じられない行動をしていたには驚きます(←現代で、はたして同じ境遇で同じ行動を起こせるか?私は疑問です。逆に江戸時代であっても寛容性のあった藩主の兄の庇護の元、これだけのびのびと後世に残る作品を残しているわけで、この点は学ぶべきものは多いと思います)。
 それでいて、尾形光琳から始まる琳派を確立させたというにふさわしい、見事な作品達。また、現代で言えばライセンス品的なデザインは「酒井抱一」という「抱一」印の工芸品(漆器類や机など)なんかも、当時の人には人気だったということで、いつの時代もよく似た商売があるんだなと感心しました(もっといえば、この当時とあまり商売が進歩がないような気もします)。