BS世界のドキュメンタリー「ナイジェリアの血 〜産油国からの報告〜」

 アフリカ有数の産油国ナイジェリアの現状を報告するドキュメントです。産油国としての利潤が一般市民に全く還元されていない現状と、産油オイルの汚染により漁業が営めなくなった漁民が、自ら原油をドラム缶で精製し密造し販売して生計を立てているという驚くべき実態。また、パイプラインと言いながら実態は塩化ビニールのホースを利用しているものが湖や川の底を貫いており、所々で油の漏洩が起きているが修繕に来る気配もなく、この漏洩によって油まみれになった環境では生物が死滅している現状。同じナイジェリアの人でも、掘削工場で働くものと、そうでないものととで大きな格差が生まれており、給与が高くても、常に強盗に命を狙われている現状などが描かれていました。
 一番興味深かったのは、番組最後に掘削基地の責任者であるナイジェリアの人が語った

「人生とは不平等なものだ」

という一言。このような環境の現地からオイルが運ばれてきている事実は、あまりに重いと感じました。