ETV特集「地球の裏側で“コシヒカリ”が実る」

 ウルグアイで日本のコシヒカリの栽培・生産・販売に挑戦しておられる日本人生産者(起業家ですね)の姿を追った番組です。ウルグアイといえば南米の穀物生産国というイメージがあるんですが、以前に読んだ「航跡 31年目の乗船名簿」という日本人南米移住の本を思い出しました。日本と土地の土壌が異なる事。自然も人も社会も急転直下の大きな激変がよく起こる歴史があること*1が印象に残っているんですが、それでもなお、ウルグアイという土地に「日本の米」を栽培・生産しそれをこれから伸びる可能性がある『南米の成長国における「日本食」に「本当の日本のご飯」を供給する』というパイオニア精神には驚かされました。
 また、番組の中で日本のコンビニや惣菜屋の惣菜ご飯が紹介されており、驚いたことに、製品として売られているオムライス(?)なのか、とにかく何らかのソースかケチャップかで味付けされたものが出ていたのですが、米が割れた(炊飯したあとに米が2分割に割れてしまっている)ものが使われていました。これには、私も驚きました。番組では、この日本人生産者の方がその割れた米が使われた商品を食べながら、「味としては悪くはないが、私が目指す高品質の米とは違う」とはっきり言い切っていました。つまり、ある一定の品質基準よりも低い米が使われており、味付けによってそれがわからない状態になっているという事なんだと思います。生産者の方曰く「これは、これから「日本の本当のコメの味」を広めていこうとするに当たり、非常に由々しきことだ」という旨の発言をされていましたが、まったくそのとおりだと思ったのと同時に、我が家の作っている米は割れたというのが無いのを考えるとそれなりに一定水準なんでしょうかね?日本の農家は案外自分では自分自身の事を知らないのかもしれません。
 なかなか、いろいろな分野の人にも示唆を与える番組であったと思います。

*1:実際、今回の番組でも取得した精米施設の候補地の施設が暴風雨により倒壊してしまった映像が出ていました