美術

京都国立近代美術館「うるしの近代――京都、「工芸」前夜から」

夏の美術展として、京都にて京都の漆工芸についての展覧会を見てきました。公家の中心地であった京都において、また、明治以降の幕藩体制の崩壊と東京遷都は、漆工芸品の主な大口顧客であった、公家や大名家を失う結果となり、その、販路の活路として、明治…

京都市美術館「バルテュス展」

副題に「20世紀最後の巨匠」とつけられている本展覧会。今回の展覧会までその名前すら知らなかったんですが、海外ではオークションで億単位の値段がつけられることもある画家だそうです。 作品的には、少女や猫を描いた作品が代表的で、アートなのか?それ…

国立国際美術館「ノスタルジー&ファンタジー」

日本の現代美術作家10人の作品を「過去の郷愁と空想の世界」というキーワードで展示する展覧会です。正直、最初は鑑賞に行くつもりは無かったんですが、梅雨の晴れ間に誘われていってきました。最初に感想をいいますと、意外と面白かったですね。中でも、…

京都国立近代美術館「コレクションギャラリー」

今回のコレクションギャラリーで私が興味を引かれたのは、「ゼロ年代のセルフ・ポートレート」のコーナーでした。高嶺格氏は非常にメッセージ性が強い作品で、思わず最後までじっくり見てしまいました。また、澤田知子氏の作品は、自身のポートレート写真を…

京都国立近代美術館「上村松篁」展

岡崎公園に移動して京都国立近代美術館にて「上村松篁」展を鑑賞してきました。上村三代の画家一家で、花鳥画の上村松篁のみに焦点を当てた展覧会は、私は初めてだったので画業の初期から晩年までを垣間見ることができて、非常に良い機会となりました。

京都文化博物館「東寺百合文書 ー地域の記憶とその継承ー」

京都の東寺に1000年前から保存されている東寺の寺行政に関する古文書の展示が常設展にておこなわれていました。この展示で驚いたのは、展示されている古文書すべてが国宝に指定されている点。足利尊氏自筆のものがあったりと、当時の南北朝の動乱期の様…

京都文化博物館「没後90年 近代日本洋画の巨匠 黒田清輝展」

まず、京都府文化博物館で「黒田清輝」展を見に行ってきました。黒田清輝といえば日本の近代洋画の巨人であり、重要文化財に指定されている「湖畔」が有名で、美術の教科書などで一度は目にしたことがあると思います。 今回の展覧会は主催者の言葉では、「没…

夏の美術展第1弾

今日は京都へ「黒田清輝」展と「上村松皇」展を見に行ってきたのでその感想です。

神戸市立博物館「ボストン美術館 浮世絵名品展北斎」

世界的な浮世絵のコレクションで有名なボストン美術館の葛飾北斎の作品が日本に里帰りし、神戸で公開されるということで見に行ってきました。やはり、これら版画の作品群は海外のほうが圧倒的に保存状態が良いようですね。綺麗な発色そのままに江戸から時間…

京都・春の非公開文化財特別公開

毎年、春と秋に行われている(夏と冬も規模は小さいながら行われています)期間限定の特別公開。過去には冷泉家などを見てきましたが、今回は、長谷川等伯派の作品が公開されるということで、妙蓮寺と本隆寺を見てきました。 どちらのお寺も住宅街の中に思っ…

国立国際美術館「アンドレアス・グルスキー展」

昨日、OKUMUと「アンドレアス・グルスキー展」を見に行ってきましたので、その感想です。まず、一言で言いまして、良い展覧会でした。今最も高額で市場取引されるという写真家で、ドイツ出身のアンドレアス・グルスキー氏の日本での初めての写真展とい…

大阪高島屋「きらめく日本画コレクション」

大阪市が所有する日本の近代絵画の代表作を展示する展覧会でした。大阪市は日本画や洋画、石仏、東洋陶器など豊富なコレクションを所有しており、今回の展覧会でも、今まで見たことの無い作品がいくつもあり、興味深く観覧できました。

JR京都伊勢丹「日本画にみる 「さくら」展−横山大観から中島千波まで−」

「桜」に焦点を当てた展覧会で、横山大観にはじまり、上村松園、竹内栖鳳、加山又造などなど結構多くの作品が展示されており、なかなかよい展覧会でした。やはり、日本人には「桜」という題材は特別な感情を抱くものなのも一因なのかもしれません。

大阪高島屋「生誕130年 川瀬巴水展」

以前にNHK日曜美術館で放送されていた版画家で、無くなりゆく江戸から明治初期の全国各地の風景を版画で残していった川瀬巴水の展覧会でした。行ってみて驚いたんですが、だいたい、百貨店の展覧会は年配の観覧者が多いんですが、今回は非常に幅広い年齢…

京都高島屋「暮らしと美術と高島屋」

昨年に世田谷区美術館で開催された展覧会の京都における展覧会で、高島屋創業の地である京都での展覧会です。資料によると、高島屋は最初は非常に小さな店舗からスタートしたようで、松下幸之助が土間から創業したように、また、現在私が勤めるスーパーマー…

神戸市立博物館「ターナー展」

こちらも1月末に行ってきました。ターナーといえば、夏目漱石も「坊ちゃん」などの作品にも登場させることがある名前であり、イギリスにおいて、もっとも有名な画家の一人であるといえます。ターナーといえば風景画のイメージがあり、実際に見てみたいという…

兵庫県立美術館「フルーツ・オブ・パッション ポンピドゥ・センター・コレクション」

こちらは1月末に行ってきました。フランスの現代美術で有名な国立のポンピドゥ・センターのコレクションがやってくるというあまりない機会ということもあり、結構楽しみにしていました。 まぁ現代美術なんで難解なもの(?)もあり、一応それぞれの作品には…

京都国立近代美術館「皇室の名品 ―近代日本美術の粋」

こちらも1月に行ってきました。後期の展示となり、結構な数が展示替えとなっており、改めて訪問する価値があると判断して、展覧会では私自身初めて2度目の訪問となりました。それにしても、凄い人・人・人。作品を見に来たのか?人の頭を見に来たのか?よく…

京都府京都文化博物館「生誕100年 佐藤太清展」

1月に行ってきました。福知山出身の日本画家、佐藤太清の回顧展です。幼少期より非常に繊細な作品が目を引きますが、特に雪の降る東大寺大仏殿を描いた作品など「雪」をテーマに描いた作品が心を打ちました。忙しい毎日の中、このような素晴らしい作品と出会…

京都市美術館「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」

こちらも今年の目玉の展覧会「竹内栖鳳」の大規模な回顧展です。日本画の巨人であり展覧会ではよく1点や2点は見る機会があったりするんですが、実際に幼少期からスケッチにいたる資料を晩年期までに一堂に集めた展示はなかなか行われることは無く、また、有…

京都国立近代美術館「皇室の名品 −近代日本美術の粋−」

今回のメイン。皇室の名品展です。美術館のほぼ全フロアを使用した大規模な展示となっており、その上に一つ一つの作品のレベルが極めて高い!時間が無かったのでやや駆け足になってしまったのが非常に残念ですが、凄いの一言でした。 現在は展示内容が半分以…

東福寺 通天橋

11月の末にOKUMUと美術展と東福寺にいってきたのでそのレポートです。東福寺といえばいわずとしれた京都における紅葉の名所。11月29日に行ったのですが、今年の紅葉はすでにピークを過ぎており半分以上が散ってしまっていました。にもかかわらず、結構…

相国寺承天閣美術館「円山応挙展」

今回初めて集中して円山応挙の作品群を見ることができたのですが、円山応挙という人は非常に幅の広い多岐な作品を残しているというのがはじめてわかりました。屏風絵や掛け軸なんかのイメージだったんですが、後ろから明かりを灯すと提灯や星空がきらめく趣…

国立国際美術館「工藤哲巳・回顧展」

私が、この国立国際美術館へ行くようになってから初めて知った作家なのですが、今回、大規模な回顧展が開かれるということで見に行ってきました。 入口に「初めて目にする方は表現方法に驚かれるかもしれません」というような旨の注意書きがありました。私の…

京都高島屋「土門拳展」

昭和を代表する写真家。土門拳の戦前から高度成長期までの「子供」に被写体を絞った展覧会でした。社会の鏡である子供の世界。戦前の都市部と農村の格差、戦争中の子供目線で見た学校、戦後の混乱期に厳しい環境下においてもたくましく生活費を稼ぐ子供、高…

兵庫県立美術館-生誕130年 橋本関雪展、神戸市立博物館「プーシキン美術館展」

10月の初旬になりますが、神戸へ橋本関雪展とプーシキン美術館展を見に行ってきました。プーシキン美術館は、ミレーなんかの時代から、ピカソがゴッホの時代など結構幅広い展示となっており、結構楽しめました。 それ以上に良かったのは橋本関雪展。これは…

京都高島屋「杉山 寧(やすし)展 −悠久なる刻を求めて」

今日は、今年の展覧会の中でも、個人的に楽しみにしていたでも世間的にはちょっと地味(?)な、戦後日本画を代表する作家の一人である「杉山 寧」の回顧展を見に行ってきました。あいにくの天気で*1、京都まで行くことを考えると、帰りに電車が止まる恐れも…

兵庫県立美術館「奇跡のクラークコレクション」

ずいぶんと日が開いてしまいましたが、8月23日にokumuと神戸までルノワールなどの印象派のコレクションで知られるアメリカのクラーク美術館が全面改装のため閉館しているのに合わせて、普段は貸し出しをしない作品を特別に貸し出すという絶好の機会…

京都国立近代美術館「交差する表現 工芸/デザイン/総合芸術 」

開館50周年を記念して全館展示で行われている「交差する表現 工芸/デザイン/総合芸術 」展。内容的には幅広い「工芸」に焦点を当てた展示になっており、現代陶芸的なかなりマニアックな展示であると言えます。面白かったのは、現代デザインというアヴァン…

京都市美術館「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」

ひき続いて、京都市美術館で「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」を見て来ました。リヒテンシュタインは小国として有名ですが、数百年に及ぶ歴史で収集し続けた美術品を今回公開するという機会だったようで、まぁ、普段は見ないであろうルーベンスの…