読書
タイトルからなんのこっちゃ???と思ったんですが、これが面白い!2000年代からのファッションの10年の流れを簡単に振り返ったものなんですが、古今東西関係無く2000年まではファッションは「異性」を意識したものであったのに対して、2000…
政治学とタイトルには入っていますが、実際には、博覧会を通じた暗喩がいかに世間大衆に影響を与えてきたのかを客観的にまざまざと見せ付けられる内容となっています。 興味深いのは、海外の万博(1900年代のパリ万博を代表する万国博)において、帝国主…
週刊文春のコラムで酒井順子さんが書評されておられた「あんこの本」です。最近、洋菓子より和菓子派になりつつ私としては是非とも欲しかったので購入しました。もっとも、最初は¥1680という金額からカラー写真が載っているだけでは・・・、と思ってたんで…
前回、ルノワールの文庫本が文庫本とは思えないほど結構内容の濃いものだったので、そのシリーズとして発売されている「フェルメール」を購入しました。 読んでみて初めて知ったのですが、フェルメールはその存命中は、それなりに当時であっても評価を受けて…
先日鑑賞した「国立国際美術館「ルノワール〜伝統と革新〜」」展にて購入した文庫本です。本来なら図録を買うべきなんでしょうが、この文庫本でも案外情報量が多かったのでこちらを購入しました。 まず、ルノワールその人自身は、裕福とはいえない家庭の出身…
第二次大戦中に米国において、日本兵を秘密裏に尋問し日本の極秘情報を集めていた「秘密尋問所」について書かれた本です。実は、戦後数十年がたってから情報が公開され、それまでは存在すら知られていなかったという尋問所なんですが、秘密のままにされたそ…
先日見てきたハプスブルグ展のハプスブルグ家の肖像画に焦点を当てた12人の王族の話です。スイスの小さな豪族に過ぎなかったハプスブルグ家がいかにしてイタリアからドイツ・オランダ・スペイン・ブラジル・アルゼンチン・カリフォルニア南部などにいたる巨…
レオナール・フジタこと藤田嗣治の「手仕事」という側面に焦点を当てた本です。エコールド・パリを代表する画家の藤田ですが、実は身の回りの物を手作りできるものは出来る限り自分で作っていたという事実を本書を読んで初めて知りました。 自宅を理想化した…
今話題のこの本ですが、家族が購入したついでに読ましてもらいました。要約すると筋肉の活動量が少なくなると当然のこととして体温が低くなりがちであり、色々な病気の原因ともなりうる。だから、スポーツ選手のようにとはいかないものの日ごろから少し意識…
続いて、読書ということで、少ない読書数のなかで面白かったので繰り返し読んだ本を上げてみます。 京都型ビジネス〜独創と継続の経営術〜 村山裕三 NHKブックス ドイツ グリーン・ツーリズム考 鈴江惠子 東京農業大学出版会 「ハチはなぜ大量死したのか」 …
1965年から1971年まで6年にわたってアフリカ・ルワンダにおいてIMFの依頼により中央銀行総裁の職を務めた日本人の服部正也氏(のちに世界銀行副総裁を勤められる)の当時の記録です。読み始めると一気に読んでしまいました。 本書は、当時のルワンダは、まさ…
本屋でお目当ての本を探しているとお目当ての本は無かったものの、本書が眼に飛び込んできました。実は、この秋に開催される「http://bor.exh.jpボルゲーゼ美術館展」に「カラヴァッジョ」が出品されるというのは知っていたのですが、どんな画家なのかは全く…
最近、京都関連の本を読んだり実際に京都に行ったりしたりするなかで、本屋でふと見かけた本書です。一見、「本願寺」なので宗教書なのかとおもいきや歴史・経済・文化の客観的研究書です。親鸞が宗祖の真宗の本願寺教団の始まりから発展そして組織としての…
以前に、読んだ「そこに日本人がいた!〜海を渡ったご先祖様たち〜」の続編です。今回は、有名な人も取り上げられていたりしていますが、それはそれで知らなかった事実に驚かされたりと面白く読むことができました。 特に、メキシコへ渡った日本人やロシアへ…
新聞や雑誌の書評欄で取り上げられた話題の本です。私は、書評でよく取り上げられる前に購入していたのですが、読む時間がなかなか取れず、最近ようやく読める時間ができたために本書を読むことができました。 結論から言いまして、本書は今年のノンフィクシ…
ドイツにおける農村の現状をまとめた本です。注目すべきは、本書の指摘によるとドイツの農家は農産物生産という従来の農家の収入源とその他、すなわち、農家民宿などの副産物的分野の収入源を比較すると明らかに副産物収入分野の収入源の方が大きいものとな…
京都企業の「伝統と革新」を実際の経営者や職人、料理人など現場の人の声を紹介しながら、その歴史と可能性についてわかりやすく書かれた本です。私が大学のときに聞いた西陣織などの伝統産業の空洞化の話なども少し触れられています。 いろいろと興味深い話…
日動画廊社長の方が書かれた「画商」という職業と洋画に対する思いを書かれた本です。父親の代からの藤田嗣治とその婦人との付き合いなど面白いエピソードがいろいろ載っています。私がナルホドと思ったのは、「本物には理由は必要がない」というくだりです…
今年読んでよいと感じた本を並べてみました。・テレビショッピング事始め 境 政郎 扶桑社 ・地方財政学 中井英雄 有斐閣 ・異能の画家伊藤若冲 狩野 博幸 新潮社 ・デパートを発明した夫婦 鹿島茂 講談社現代新書 ・そこに日本人がいた!〜海を渡ったご先祖…
元大阪弁護士会会長の方が書かれた本です。普段は聞いたことも見たこともない経済事件の現場の話が書かれています。読んでみてわかるのは、物事は一方方向から見ているだけはわからないということです。そして、現場の状態の把握と環境改善がいかに大切であ…
遺品整理屋という職業を知ったのは昨年NHKのドキュメントで放送されていたからなんですが、その後に本書の第一弾である「遺品整理屋は見た」を読んで、遺品整理の壮絶な現場の現実を知りその後今年続編が出版されたので購入しました。 人は死んだらおしまい…
私の住んでいる近辺の本屋では扱っていなくて、先日、三井寺展を見に行ったときに購入しました。1929年のNY証券取引所の株の暴落の事実について書かれています。これが非常に面白い!現在起こっているリーマンショック以降の経済の悪化とも(当時とは環…
以前に読んだ「そこに日本人がいた」のなかで興味深かった幕末のヨーロッパへの使節団について、ヨーロッパ側から見た内容をまとめた本です。ヨーロッパ側から、具体的には新聞記事が中心なんですが、まさに突然現れた未踏の地からの使節ということで、無知…
主に江戸から明治期にかけておそらく初めて海外に行った日本人を世界各地にスポット当てて紹介している本です。 自ら望んで海外に渡ったと言う日本人はごくわずかで、大抵は貧困ゆえに新天地を海外に求めてわたった人々の話となっていますが、望もうが望むま…
過去約30年間にわたって米国が行ってきた途上国に対する直接・間接の借款とその結果としての途上国の借金漬けと貧困層の増大、米国に対する憎悪の増大について、実際に途上国に対する国家建設プロジャエクトを立案してきた筆者の経験を描いたノンフィクシ…
「大規模」「プロ」的な農業こそが日本の農業に必要という議論はよく見てきたのですが、「セミプロ」という言葉は新鮮味があったので思わず購入しました。要は、農業直売所を基点として段階的にセミプロからプロへと移行が進むことができるように仕組みを整…
江戸時代以前の画家を扱った学術本です。といっても、読みやすく面白い内容となっています。今で言えば、風刺画であったり、首や胴体がこれでもかというほどに切り裂かれたサディスティックな表現であったり、現代でも十分通用する迫力ある絵画が多数紹介さ…
ブランド「シャネル」の創始者であるガブリエル・ボンヌール・シャネルのノンフィクション作品です。自ら「伝説」を「創作」したシャネルの「真実」を丹念に取材した内容となっており、ファッションに興味が無くても楽しめます。特に興味深かったのは、当時…
近代資本主義の歴史の中でいわゆる「百貨店」という店舗形態を出現させた夫婦の歴史物語です。時代はエッフェル塔が建設されている当時のフランス・パリなんですが、当時に生み出された「百貨店」としての形態・販売戦略などは現在でもほとんど変化していな…
代表作の絵と伊藤若冲の人生や絵画技法のついての解説が書かれています。私は、以前にいくつかの作品はTVで見たりしたものもあったので衝撃度は最初に見たときよりは小さかったのですが、それでも、感嘆の一言ですね。木版画や点描技法を使った絵画なども…